バイリンガル児の語彙力を鍛えるためにはどんな教え方が効果的?

unsplash-image-keljk96DidM.jpg

知っていました?バイリンガル児の語彙力からその後のリテラシースキル(書き言葉を読み、理解し、書く能力)を予測できるのです!語彙力を育てることは子供の就学期での成功を左右します。バリンガル児の語彙力を育てるためにはどんな学習方法が効果的なの?今回の投稿はこの問題をリサーチした研究論文を紹介します!


2018年のReading and Writingジャーナル出版された”Moderating Infuence of Instructional Intensity and word type on the acquisition of academic vocabulary in young English language learner” ではバイリンガルの2年生187人(英語・スペイン語)を対象に2つの語彙学習方法を比較した。

子供たちは3グループに分けられた。

1)Extendend Instruction グループ:ターゲットの言葉を英語とスペイン語で予習をする、ターゲットの言葉を使った例文、その言葉を使った練習を音読をする時とその後にする。

2)Embedded Instructionグループ:ターゲットの言葉を英語だけ使い学習する。音読時にターゲットの言葉の意味を教え、歌や書く練習をする。

3)Control グループ・対照群:音読時に先生はターゲットの言葉を読むが、それ以上の学習はしない。

結果的に2つの言語を使ったExtended Instructionを受けた子供たちが一番多くターゲットの言葉を覚えた。なので、バリンガル児が語彙力を方法としては第1、第2言語を使う事が一番効率良いことが分かった。しかし、第2言語だけを使ったEmbedded Instructionグループの子供も対照群に比べるとターゲットの言葉をより多く覚えていた。


研究論文の著者も指摘したように、子供は膨大な数の語彙を習得しなければならいので、第2言語だけを使った学習方法でも効果があったことはバイリンガル児を教えている教育者にとってとても心強い結果ですね。でも、第1、第2言語を使った方法のほうが手間がかかるけれでも、「一番効率よく言葉を習えるのはバイリンガル児にとってストレスが少ないのでは!?」と考えてしまいました。

Author:

Miki Diane Shibata MS CCC-SLP

Source:

theInformedSLP, written by Mollee Sultani ABD CCC-SLP

研究論文:August, D., Artzi, L., Barr, C., & Francis, D. (2018). The moderating influence of instructional intensity and word type on the acquisition of academic vocabulary in young English language learners. Reading and Writing, 31, 965–989. doi:10.1007/s11145-018-9821-1

バイリンガル言語療法士の思い ・My “why” as a Bilingual SLP

0